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2017年10月25日号 
 

10月の新刊

周期律 新装版

■プリーモ・レーヴィ
■四六判/上製 368頁
■定価=本体2,500円+税
■2017年10月20日刊行

アウシュヴィッツ体験を持つユダヤ系イタリア人作家プリーモ・レーヴィの自伝的短編集。アルゴン、水素、亜鉛、鉄……化学者として歩んできた日々を、周期表の元素とからめて語る。科学と文学を高純度に融け合わせた逸品。

●●●担当編集者より●●●

もう30年近く前のこと。今はなき銀座の洋書店イエナで、本書の英訳版ペーパーバックを手にした。表紙には、分子モデルらしきイメージ写真があしらわれていて、タイトルといい、まさしく科学の入門書のよう。しかし、目を引いたのはタイトル下に掲げられたイタロ・カルヴィーノの推薦文だ。「われらの時代におけるもっとも才能ある作家の驚くほど魅惑的な本」。当時の工作舎では、「プラネタリークラシクス」という風変わりな文学シリーズを出していて、まさにぴったりの本だと即購入。プリーモ・レーヴィの名など知る由もなく、その後すぐに渋谷古書センターの店頭均一でハヤカワ・ノヴェルズ版の『休戦』を入手し、そして最後に渋谷・旭屋書店の棚にあった『アウシュヴィッツは終わらない』にたどり着いた。彼の背景を知った上で本書を読んだときの衝撃!──インターネットがまだ普及していない時代の「出会い」の思い出をつい綴ってしまいましたが、今回の美しい新装版が新しい読者とどのような「出会い」をするのか、とても楽しみです。(石原剛一郎)

11月 刊行予定

しめかざり 新年の願いを結ぶかたち

■森 須磨子
■A5判/上製 200頁
■定価=本体2,500円+税
■2017年11月初旬刊行予定

宝珠、鶴、俵…しめかざりには多彩な形がある。全国を訪ねた著者が、飾りを外した、わらの造形の美しさを系統立てて紹介。土地の作り手との交流、しめかざりに込められた想いを綴る。写真多数。

著者・森須磨子さんのしめかざり展覧会が相次いで開催されます。
◆武蔵野美術大学 民俗資料室ギャラリーで「しめかざり〜祈りと形」展(10月16日〜11月18日)。10月28日(土)には森さんの講演会「しめかざり〜日本てくてく探訪記〜」が同大学美術館ホールで開催。
◆かまわぬ浅草店「新年を寿ぐしめかざり」展(11月23日〜12月5日)開催予定。

パブ情報

『江戸博物文庫』シリーズ、紹介続々

---ダ・ヴィンチ、サライ、日本野鳥の会

◆ダ・ヴィンチ2017年11月号で4冊揃った『江戸博物文庫』シリーズが「ひとめ惚れ大賞」に選ばれました。「純粋に「本」として素晴らしく、手元に置いておきたい」と。詳しくはこちら
◆サライ2017年11月号では『魚の巻』が、「江戸の「魚譜」の美しさに目を奪われる」と書評していただきました。
◆日本野鳥の会「バードショップ」2017年秋冬号にて『鳥の巻』『花草の巻』を紹介。同会のインターネットショップ「Wild Bird」では追加注文が続き大好評です。

 

イベント告知

神保町ブックフェスティバルに出店

---特価で限定販売

11月3日(祝・金)、4日(土)、5日(日)は、恒例の神保町ブックフェスティバルです。東京・神保町のすずらん通りでは出版社らによるワゴンセール「本の得々市」が開かれ、工作舎も出店します。場所は例年より東京メトロ・神保町駅 A7出口寄りのココカラファイン前あたり。3日間だけの限定割引販売、掘り出し物をご用意しています。ぜひお立ち寄りください。詳しくはこちら

 

kousakusha TOPICS

◆世田谷文学館「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」展(12月17日まで)で、澁澤龍彦の解説を付した『キルヒャーの世界図鑑』を販売中。澁澤は17世紀の奇想学者キルヒャーの摩訶不思議な図版を愛し、小説『高丘親王航海記』のイメージとしました。

◆佐賀県立美術館「特撮のDNA」展(11月5日まで)は熱狂的なマニアで盛上がっています。『ゴジラ幻論』も販売中。佐賀の書店でのブックフェアにも参加しています。詳しくはこちら

『人形浄瑠璃文楽 外題づくし』が、日経新聞コラム「文化往来」(7月31日付)と産経新聞(8月24日付)で紹介。日経新聞では、同格の演者は字数が違っても同じ太さに見えるようにした、文楽勘亭流ならではの工夫も明かしています。

『文字と書の消息』芸術新潮2017年8月号「編集部のおすすめ!」で紹介。「人は、文字で遊び、文字で呪い、文字を踊らせる」と。 また、臼田捷治氏が書道界2017年8月号で「広やかな目線が掬いあげた書字環境の芳醇な厚み」と書評、月刊美術2017年9月号でも紹介されました。

◆web連載「ライプニッツ通信II」第27回 空気工学の偉才パパンおよび第28回 ハルツ鉱山の光と影を更新。第27回はライプニッツと共同研究を重ねたドニ・パパンについて。第28回のハルツ鉱山開発の先任者、ペーター・ハルツィンクは、1637年、オランダ東インド会社の平戸館にいたドイツ人と平戸の豪商の娘との間に生まれた日系人、その数奇な人生を綴ります。

◆web連載「ルネサンス・バロックのブックガイド」スタート。占星術、錬金術、魔術が興隆し、近代科学・哲学が胎動したルネサンス・バロック時代。その知のコスモスを紹介する『ルネサンス・バロックのブックガイド(仮)』を計画中。刊行に先立ち、一部を連載にて紹介します。第1回 アタナシウス・キルヒャー『普遍音楽』。