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2017年11月17日号 
 

11月の新刊

しめかざり 新年の願いを結ぶかたち

■森 須磨子
■A5判/上製 200頁
■定価=本体2,500円+税
■2017年11月10日刊行

宝珠、鶴、俵…しめかざりには多彩な形がある。全国を訪ねた著者が、飾りを外した、わらの造形の美しさを系統立てて紹介。各地の作り手たちとの交流、しめかざりに込められた想いを綴る。写真多数。

◆関連の展覧会やブックフェアは、下の[イベント情報]で詳細します。

●●●担当編集者より●●●

森須磨子さんから「めでたづくし」のお裾分け
美大の卒業制作のテーマとして取り組んで以来の全国「しめかざり」探訪は、20年近くになる。森さんにとって、夏が過ぎれば「しめかざり」の季節到来。まだ見ぬ「しめかざり」のもとへ馳せ参じたい気持ちは抑えきれない。絶好の取材時期に「しめかざり」を求めて旅をかさねる森さんのことを、誰かが噂するようになった。「年末の女」などと。購入が叶えば、背負って帰宅するうちに400点にもなった。藁(わら)製なので、経年変化もやむをえない。2017年そのコレクションのうち300点近くを、母校の武蔵野美術大学民俗資料室に寄贈することになった。この大学の名誉教授であり、民俗資料室創設を提唱された民俗学者・宮本常一氏もきっと、めでたづくしの仲間入りに驚き、微笑んでいらっしゃることだろう。もうすぐお正月。 (田辺澄江)

12月 刊行予定

私たちのワンダフルライフ 神経ペプチドに魅せられて

■有村 章+有村勝子
■四六判/上製 約340頁
■定価=本体2,400円+税
■2017年12月中旬刊行予定

1ドル360円時代の1956年、わずか10ドルしか持ちだせずにイェール大学に留学した有村章。翌年に単身渡米して妻となった勝子……。1977年、シャリー博士にノーベル賞をもたらした神経ペプチドLHRHの構造を解明し、日米の文化交流に尽力した類い稀な夫婦の物語。

イベント情報

森須磨子さんのしめかざりコレクション展

---12月には書店でのブックフェアも

◆11月23日(木・祝)から、かまわぬ浅草店で「新年を寿ぐしめかざり」展がはじまります(〜12月5日)。『しめかざり』の著者・森須磨子さん秘蔵のしめかざり約20点を展示。会場では本書のほか、全国から集めたしめかざりの現物や、しめかざり柄の手ぬぐいも販売するそうです。詳しくはこちら
◆好評を博した武蔵野美術大学 民俗資料室ギャラリーでの「しめかざり〜祈りと形」展はいよいよ11月18日まで。展示の様子はこちら

【予告】12月4日からは青山ブックセンター六本木店にて、『しめかざり』刊行記念「めでたづくし」ブックフェアを開催予定。編集担当の田辺の選書で、コメントもつきます。

 

神保町ブックフェスティバル御礼

11月3日〜5日の神保町ブックフェスティバルは、おかげさまで晴天に恵まれ、大盛況でした。初の試みとして『大泥棒紳士館』の紙型を1枚300円で販売したところ、初日に完売、2日目に追加するも即日完売しました。消えゆく活版印刷を思う人がこんなにもいるとは。
ご来店いただいたみなさま、どうもありがとうございました。来年もお待ちしています。

 

kousakusha TOPICS

◆気鋭の進化発生学者・倉谷滋先生の本の話題が続きます。映画『シン・ゴジラ』が11月12日(日)にテレビ朝日で地上波初放送され、『ゴジラ幻論』にふたたび注目が集まりました。一方、倉谷先生本業の大著、『分節幻想』が、ゲーテ自然科学の集い「モルフォロギア」で思想史の高岡佑介氏がしっかりとした書評を書いてくださいました。

◆web連載「ライプニッツ通信II」第29回 「寛容とは何か」を問いつづけてを更新。『ライプニッツ著作集』の翻訳でも尽力いただいた福島清紀氏の論文集『寛容とは何か —思想史的考察』を2018年3月に刊行いたします。9月30日に開催された〈福島清紀氏を偲ぶ会@東京〉レポート。

◆web連載「ルネサンス・バロックのブックガイド」も更新。第2回 は宮下志朗 『本の都市リヨン』。往年の名著を、フランス文学・思想研究者の久保田静香さんが紹介します。「ラブレーの風刺小説もノストラダムスの予言集も、おそらくはこの街だからこそ生まれたのだ」