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2018年9月18日号 
 

9月の新刊

ライプニッツ著作集 第I期 新装版
[8]前期哲学

■G・W・ライプニッツ
■下村寅太郎+山本 信+中村幸四郎+原 亨吉=監修
■A5判上製 448頁+手稿8頁
■定価 本体9000円+税
■2018年9月25日刊行

天才の時代の最も天才的な天才と呼ばれたライプニッツ。その普遍的精神の全容をまとめた『ライプニッツ著作集 第I期』(全10巻)を9月より新装復刊! 第1回配本は品切だった第8巻前期哲学。

●●●担当編集者より●●●

第II期『ライプニッツ著作集』全3巻も無事に上梓できて、大ブレイクには遠くおよばないものの、斯界なりの支持を得ることができたので、品切状態の巻の多くなった第I期全10巻を順次新装復刊することにしました。
造本は第II期と同じ宮城安総+小倉佐知子。
第1弾として1990年12月に初版刊行の8『前期哲学』が甦ります。モナドロジーをお伽噺と思っていたバートランド・ラッセルが「ライプニッツの哲学的大建築」の全容を了解したという曰くつきの2作、『形而上学叙説』(西谷裕作訳)と『アルノーとの往復書簡』(竹田篤司訳/酒井潔訳注・解説)をハイライトとして、1702年までの著作・書簡を収録。
思い起こせば、本巻の仕事を契機に、日本ライプニッツ協会の設立が夢物語として語られるようになり、第I期完結後10年目(2009)に、第I期の訳者の方々が理事となり、酒井潔会長のもと晴れて発会したのでした。第II期全3巻を酒井潔・佐々木能章両先生監修のもと、日本ライプニッツ協会会員の諸先生に訳出いただくことになった原点も、本巻にあります。
次世代の研究者、ライプニッツのように別の仕事をもつ「理論×実践」をモットーとする方々に読んでいただければ望外の幸せです。 (十川治江)

※9/24 刊行記念イベント開催。下の[イベント告知]をお読みください。

 

近刊情報

時代を変えたブックガイド
遊読365冊

■松岡正剛、協力=荒俣宏
■B6判変型・仮フランス装 224頁
■定価 本体1800円+税
■2018年10月刊行予定

雑誌『遊 読む』誌上に一挙掲載された伝説のブックガイド、37年ぶりに復活! 「読書は男のケンカだ」の33冊から「読書で一番遠いところへ行く」ための31冊まで、百字一冊でブックコスモスを駆け巡る。『千夜千冊』の原点。

イベントのお知らせ

9/24 紀伊國屋書店新宿本店にて
『ライプニッツ著作集』第II期完結&第I期新装復刊記念
酒井 潔さん×山本貴光さん 対談

◆2018年6月に完結した『ライプニッツ著作集』第II期全3巻。そして、9月からはじまる第I期全10巻の新装復刊を記念して、9月24日(月・祝)14時から、紀伊國屋書店新宿本店9Fイベントスペースにてトークイベントを開催します。登壇者は『ライプニッツ著作集』第II期の監修者にして、日本ライプニッツ協会会長の酒井潔さんと、ゲーム作家・文筆家として活躍がめざましい山本貴光さん。異色なお二人によるスペシャル対談、theoria cum praxi ライプニッツは私たちに縁遠い天才か?

◆会場では新旧『ライプニッツ著作集』、酒井先生、山本さんの著書を販売。『ライプニッツ著作集』を1冊でもお買い上げの方には特典小冊子「発見術への栞」を差しあげます。
◆対談終了後にサイン会も行います。イベント概要はこちらへ、特典と山本さんの著書についてはこちらもお読みください。

フェアのお知らせ

三省堂書店神保町本店2Fにて
『親鸞への接近』刊行記念
「蔵出し! 四方田犬彦の本棚」

◆8月に刊行した四方田犬彦著『親鸞への接近』が大変好調です。9月11日から三省堂書店神保町本店2F文芸書フェア台にて、「蔵出し!四方田犬彦の本棚」がはじまりました。

◆ 『親鸞への接近』のほか、四方田さんの主要著作のほか、四方田さん所蔵の『貴種と転生・中上健次』(新潮社、1987年)や『叙事詩の権能』(哲学書房、1988年)など出版社品切の貴重な17点52冊が直筆のサイン入りで販売中。「四方田犬彦全著作目録」ミニ版が付いています。フェアは10月半ばまで。お早めお出かけください。詳しくはこちらへ。

kousakusha TOPICS

◆丸山久美子著『双頭の鷲 北條時敬の生涯』関連のイベントが開催されます。金沢ふるさと偉人館で企画展「北條時敬とその教え子たち」9月15日(土)〜11月25日(日)、また序文を寄稿くださった浅見洋先生が館長をつとめる西田幾多郎記念哲学館でも企画展「西田幾多郎の恩師 北条時敬」9月26日(水)〜3月24日(日)

◆9月9日 東京新聞 出版情報に『ライプニッツ著作集』第II期完結第I期復刊情報を掲載していただきました。

◆8月22日 京都新聞 地域プラスに『Ibasyo』著者岡原功祐さんインタビュー「社会の片隅で苦しんでいる少女たち。ほとんどの人は気付かない。時に家族さえ見過ごしている。写真家の岡原功祐さん(38)=京都市東山区=は、そんな彼女たちのいる場所に自らも身を置き、そして確かな存在を写した。…」

◆新潮社の書評サイトBookBang「こんな本を読んできた」vol. 9(2017年12月7日 掲載)で、田坂広志さんが『新ターニング・ポイント』をとり上げてくださいました。

◆web連載「ライプニッツ通信II」第39回 モナドの消息を更新。モナドの初出から、モナドの世界観と華厳経の事々無礙法界との照応関係に日本のみならず世界で初めて言及した村上俊江、早田文蔵の高次元ネットワーク図まで。

◆web連載「ルネサンス・バロックのブックガイド」第17回 マンデヴィル『東方旅行記』を菊地原洋平さんが「コロンブスらを冒険に駆りたてるほど魅力は絶大だった」と紹介し、第18回 プリンチーペ『錬金術の秘密』を訳者のヒロ・ヒライさん自らが綴ります。

【編集後記】全集の月報を楽しみにする読者も多く、『ライプニッツ著作集』第I期旧版も例外ではありませんでした。高山宏「またひとつアベラシオン」、荒俣宏「本をかむった普遍言語学者」、彌永昌吉「ニュートンとライプニッツ」など執筆陣も豪華。この月報「発見術への栞」をまとめた小冊子を、新装版の全巻予約特典にしました。当初はもう少し薄い冊子のつもりでしたが、デザイナーの頑張りで100頁を超える美麗な冊子に。こうなると、無料は惜しい、販売すればいいのに、などという欲深い声も出たのですが、初志貫徹して無料の特典となりました。9月24日の紀伊國屋書店イベントで初お目見え。イベントにぜひいらしてくださいね。 (岩下)