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2018年11月22日号
 

11月の新刊


ライプニッツ著作集 第I期 新装版
[4]認識論[人間知性新論]上
[5]認識論[人間知性新論]下

■G・W・ライプニッツ
■下村寅太郎+山本 信+中村幸四郎+原 亨吉=監修
■谷川多佳子+福島清紀+岡部英男=訳
■[4]A5判上製 344頁+手稿8頁 定価 本体8500円+税
■[5]A5判上製 392頁+手稿8頁 定価 本体9500円+税
■2018年11月26日刊行(2冊同時発売)

『ライプニッツ著作集 第I期』新装復刊第2弾は『人間知性新論』。イギリス経験論の主柱、ジョン・ロックに対して、生得観念、無意識をもって反攻を開始する。[4]第1部「生得観念について」、第2部「観念について」、[5]第3部「言葉について」、第4部「認識について」。

●●●担当編集者より●●●

第I期『ライプニッツ著作集』新装復刊の第2弾は、1993年8月に上巻の初版を上梓した『人間知性新論』。イギリス経験論の主柱、ジョン・ロックの『人間知性論』を精読し、つぶさに反論した一著です。
人間の精神はタブラ・ラサ(白板)の状態で誕生し、成長にともなってさまざまな経験を積みながら形成されるとするロックに対し、ライプニッツは生得観念、無意識、微小表象などをもって、今日なお示唆に富む議論を展開します。
第II期第1巻『哲学書簡』に収録した「マサム夫人との往復書簡」(1704 − 05)は、ちょうどこの『人間知性新論』執筆も佳境に入った時期の実況記録として読むことができます。この間にマサム夫人は同家に身を寄せていたロックを喪い、ライプニッツはプロイセン公妃となったゾフィー・シャルロッテに先立たれてしまいます。失意の渦中でライプニッツはマサム夫人に心からの弔意を述べ、ロックが反論できないのに批判の書を上梓するのは失礼なので、すでに書き上げた『人間知性新論』の刊行を断念したと伝えるのです。
執筆背景はさておいても、「氏か育ちか」、「意識下の認識」、「言葉の限界」、「確からしさとはどういうことか」……などに興味のある方にお奨めの読み応えある一著です。(十川治江)

※関連イベント:下のイベント情報をご覧ください。

 

12月の増刷

親鸞への接近 2刷

■四方田犬彦
■四六判上製 528頁
■定価 本体3000円+税

親鸞論が絶筆となった三木清、伝記映画を監督制作した三國連太郎、親鸞の晩年について集中的に論じた吉本隆明…。『歎異抄』『教行信証』を独自の視点で読み解くとともに、3人の知識人を通して親鸞思想の現代的意味を問う、渾身の書下し!

◆同朋(真宗大谷派宗務所発行)に『親鸞への接近』について四方田犬彦さんのインタビューが掲載されました。「日本が西洋の思想や文化を取り入れた後で、何か取り落とした巨大な存在としての親鸞に気づいたのでしょう」

イベントのお知らせ

福島清紀『寛容とは何か』刊行記念
「寛容から多様性を考える

---代官山蔦屋書店

◆2018年11月23日(祝)19時から、代官山 蔦屋書店にて、福島清紀著『寛容とは何か』刊行記念、第5回代官山人文カフェ「寛容から多様性を考える―「人それぞれ」のその先にあるものは何か?」が開催されます。

◆福島清紀さんの遺作『寛容とは何か―思想史的考察』の編纂に尽力された奥田太郎さん(南山大学社会倫理研究所教授)を話題提供者に、そしてカフェ進行役には三浦隆宏さん(椙山女学園大学人間関係学部准教授)が登壇。

◆福島さんは『ライプニッツ著作集 第I期新装版』第4巻・第5巻の翻訳者のひとり。できたての新装版と、福島さんが病床で校正した「ボシュエとの往復書簡」を収録した『ライプニッツ著作集 第II期 第2巻 法学・神学・歴史学』も会場で販売します。関連フェアも23日まで開催。イベント&フェア詳細はこちら

kousakusha TOPICS

『しめかざり』の森須磨子さんが12月21日放送のNHK「美の壺」(BSプレミアム19時〜)にご出演されます。また、「科学読物研究会 創立50周年記念特別号」にも「ひとつひとつにしめかざりに込められた願いや解説が書かれていて、なるほどそうだったのかと驚くばかりです」と紹介していただきました。

◆ブックファースト新宿店10周年記念 四方田犬彦さんご選書「1968」フェアが11月30日まで人文コーナーで展開中。『歳月の鉛』『書物の灰燼に抗して』も選んでいただきました。なお入口メインフェアの「名著百選」でも四方田さんがご選書されています。こちらは12月9日まで。

◆市川團十郎さんと小泉英明さんの対談集『童の心』を、西園芳信氏(鳴門教育大学名誉教授)が、『学校音楽教育研究』(日本音楽教育実践学会 2018)にて書評してくださいました。「市川團十郎の歌舞伎と小泉英明の脳科学の世界とが協奏するように展開される」。

◆11月26日〜12月22日、新橋のGallery TENにて、象設計集団「か木くけ子どもの家」展開催。子どもにとって「木」の環境とは? 『11の子どもの家』(2017年、新評論)から、その後竣工したものも合わせて展示。工作舎の『空間に恋して』もどうぞ。

◆12月1日・2日、北千住 BUoYにて、「詩×船」が開催されます。詩人、出版社、古書店がセレクトした1000冊の詩集を会場に並べ、販売するという企画。詩にまつわる本として『賢治と鉱物』や詩心を感じさせる『周期律』などを出品予定。

◆今村昌平監督の著書『撮る』の韓国語版がMaumsanchaek社から出版されました。表紙は川瀬巴水。書影はこちら。

◆web連載「ルネサンス・バロックのブックガイド」第20回 パノフスキー著『イコノロジー研究』(ちくま学芸文庫)。「序論で[パノフスキーの眼]を手にいれたところからつづく5つの章は、いわば分析事例集である。そう聞くと退屈を覚えるかもしれないが、それらは良質のミステリーとして読めるほどにスリリングで劇的な展開があり、結末まで読者をまったく飽きさせない」と、気鋭の建築史家・岡北一孝さんが紹介します。

【編集後記】四方田犬彦さんの渾身の書下し『親鸞への接近』を12月に増刷します!8月に刊行しましたが、10月7日の読売新聞・苅部直氏評、10月はじめから11月にかけて地方紙23紙で掲載された藤沢周氏評などの書評の反響が大きく、電話注文が凄まじかったこと。まだまだ多くの人に読んでほしい一書です。 (岩下)