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2019年1月28日号
 

1月の新刊 その1


ICTエリアマネジメントが都市を創る
街をバリューアップするビッグデータの利活用

■川除隆広
■A5判 168頁(オールカラー)
■定価 本体1900円+税
■2019年1月18日刊行

にぎわう街、被災時にも強く、安全・安心、経済バランスが良く、エネルギーシステムもスマートに……次世代の都市生活・まちづくりの高度化はビッグデータをいかに使いこなすかにかかっている。官民協働による多角的な取組みを紹介。

●●●担当編集者より●●●

そこに私もいるビッグデータ力。
放電によるリヒテンベルグ図形!?・・・にしてはランダムなカバー画像は、東京23区における1日の人の動きを可視化したものです。膨大なデータが、私たちが属する日常を、思わぬ形に描きだして見せます。
帯に記すインパクトある一言に迷っていた矢先、「データ力」がいいと著者からの提案が届いた日、帰宅の車中で「これからはデータを扱う仕事だと思うんだよね」と、就活中らしき若い女性が話す声が耳に飛び込んできました。いよいよタイムリーな出版であることを実感した次第。「ICTエリアマネジメント」は、これからの都市づくりにまさに“いまでしょ”の提案です。 (田辺澄江)

 

1月の新刊 その2


ライプニッツ著作集 第I期 新装版
[10] 中国学・地質学・普遍学

■G・W・ライプニッツ
■下村寅太郎+山本 信+中村幸四郎+原 亨吉=監修
■山下正男+谷本 勉+小林道夫+松田 毅=訳
■A5判上製 336頁+手稿8頁 定価 本体8500円+税
■2019年1月28日刊行

二進法と易の陰陽図の類似を論じた小編など中国学3編、ハルツ鉱山開発の体験を背景にヴェルフェン家史の前章として地質時代を記した『プロトガイア』、生涯追い続けた普遍学論考6編を収載。

●●●担当編集者より●●●

第I期『ライプニッツ著作集』新装復刊の第3弾は、1991年12月に初版を上梓した『中国学・地質学・普遍学』
[1]『論理学』にはじまり、[2]『数学論・数学』、[3]『数学・自然学』、[4][5]『認識論(人間知性新論)』、[6][7]『宗教哲学(弁神論)』、[8][9]『哲学』とつづく第I期著作集の掉尾ふさわしい、ライプニッツの先見性と博物精神、人並みはずれた活力の背景にある普遍性を堪能できる一著です。

本巻の中国学は、柄谷行人氏の目にとまり、2014年8月の同氏による「帝国の構造」(紀伊國屋書店じんぶんやフェア)に「彼の現実の中国社会への理解も半端ではなかった。儒教に関しても、帝国論に関しても、驚嘆すべきものである」との評を付して選書されました。

地質学「プロトガイア」は、ヴェルフェン家の家史の序文として書かれたもので、化石や地質の所見は、第II期第3巻『技術・医学・社会システム』に収載した「ハルツ鉱山開発」で得た成果です。 普遍学は、[1]『論理学』に収載した20歳のときの著作『結合法論』以来、ライプニッツの生涯をつらぬくテーマ。これも第II期第3巻に収載した図書館計画やアカデミー計画と響き合うもので、併読していただくと面白さが倍増、累乗倍となることでしょう。(十川治江)

※『ライプニッツ著作集』第I期と第II期をあわせた二つ折り新リーフレットができました。ご希望の方に無料で送付します。

 

2月の新刊予告

ルネサンス・バロックのブックガイド
印刷革命から魔術・錬金術までの知のコスモス

■ヒロ・ヒライ=監修
■A5判上製 280頁
■定価 本体2800円+税
■2019年2月下旬刊行予定

良書を次世代にも伝えたい。占星術や錬金術、魔術が興隆し、近代科学・哲学が胎動したルネサンス・バロック時代。パラケルスス、キルヒャー、ライプニッツ…この時代を象徴する原典の邦訳書から最新の研究成果まで150冊余の書物を、50名をこえる執筆者が紹介する。

 

2月の復刊予告

薔薇十字の覚醒 新装版

■フランセス・イエイツ
■山下知夫=訳
■A5判上製 444頁+図版32頁
■定価 本体5000円+税
■2019年2月下旬刊行予定

新旧キリスト教の抗争渦巻く17世紀ヨーロッパに出現した薔薇十字宣言。魔術とカバラ、錬金術を内包したそのユートピア思想は、もうひとつのヨーロッパ精神史を形づくっていた…。待望の新装復刊。

お知らせ

[クラウドファンディングの試み]
良書を次世代にも伝えたい。
印刷革命から魔術・錬金術までの知のコスモス、
『ルネサンス・バロックのブックガイド』出版プロジェクト

◆2月の新刊『ルネサンス・バロックのブックガイド』販促とプロモーションのために、2018年12月12日からクラウドファンディングをはじめました。じつに多くの方から支援をいただき、1日を待たずして第1目標をクリア。目下第3目標を掲げて、2月15日まで継続しています。

『薔薇十字の覚醒 新装版』もそのお返し(リターン)の1つに加えたところ、いちばん人気リターンに。かつて「ヨーロッパ精神史」として一世を風靡したものの、いまや静かなこのジャンルがこれほどの熱い支持をいただけるとは、予想以上でした。一度のぞいてみてください。GREENFUNDING

kousakusha TOPICS

『しめかざり』の森須磨子さんが12月21日放送のNHK「美の壺」に続き、1月1日の大阪毎日放送(MBS)「コトノハ図鑑 新春スペシャル」にもご出演。年末年始の需要は大きく増刷決定。1月7日に第4刷ができました。

◆図書新聞の年末恒例の「18年下半期読書アンケート」に、日本近現代史の鶴見太郎氏が、『親鸞への接近』をあげてくださいました。「かつてユーゴ内戦の傷跡が生々しいコソボで学生を前に、「悪人正機」を素材としながら、それを伝えきれなかった原体験を経て、著者は親鸞の世界へ誘われていく。…」

◆松岡正剛著『遊読365冊』が週刊朝日12/14号で紹介されました。「松岡氏の知的で軽やかなセンスによって有機的につながりを持っており、ある時代ある人物の本棚をのぞく興味がある」

◆2019年2月12日はダーウィン生誕210年。ダーウィン伝記の決定版『ダーウィン 世界を変えたナチュラリストの生涯』の翻訳者・渡辺政隆氏が、下北沢のダーウィンルームで2月9日より4夜連続の「ダーウィンデー2019」を開催されます。詳しくはダーウィンルームへ。

【編集後記】今号でお知らせした新刊のうち3冊はつながっています。まず『ルネサンス・バロックのブックガイド』の中で『ライプニッツ著作集』『薔薇十字の覚醒』が紹介されていること。そして『薔薇十字の覚醒 新装版』の帯が『ブックガイド』監修者のヒロ・ヒライさんの推薦文。

さらに『ライプニッツ著作集 第I期 新装版[10] 中国学・地質学・普遍学』の帯表4は、なんと『薔薇十字の覚醒』の著者フランセス・イエイツの言葉。
「科学の進歩は、宇宙に関する拡大された知識に繋がり、またそれ故にその創造主たる神についてのより広範な知識と結びつき、そこからさらに、すべての美徳の源となる慈愛の一層の拡大へと通じていくだろう、とライプニッツは信じていた。すなわち、そこでは神秘主義と博愛主義とが、百科全書と普遍的計算法とに結びあっているのである」。 3冊が響きあい、読者のもとに届きます。(岩下)