■ペーター・シュプリンガー+前川久美子
■A5判上製 360頁 定価 本体4500円+税
■2020年2月27日刊行
ミケランジェロのダヴィデ像、ゴッホの向日葵のように、美術家が作品と一体化し、作品の中で永遠に生き続けているかのように見える例を紹介し、美術家と作品の関係を多角的に考察する。図版300点余収録。
●●●担当編集者より●●●
死を意識したときに何を残したいと思いますか? 芸術家であれば、渾身の力を込めて最後の作品にとりくむでしょう。そうした作品は観る者の心を揺さぶり、作者があたかも生きているように感じても不思議ではありません。
タイトルは格言「アルス・ロンガ、ヴィタ・ブレヴィス」より。ここでは「芸術家の人生は短いが、作品は長く残る」の意味で用い、格言どおりに数多の美術家が死と向き合って制作した作品、自分の集大成をどう残したのか、さらには自ら作品と融合(!)を試みた例を次々と紹介します。
ゴッホの《向日葵》、ロダンの《考える人》、アングルの《トルコ風呂》、ミケランジェロの《ピエタ》、ベックリーンの《死の島》、カノーヴァやプッサンを記念したモニュメント、ジャコメッティのアトリエ、ピカソの椅子、ラファエッロの墓、ダリ劇場美術館、ウォーホル最後の作品等等、人々の記憶に残るようにどのような戦略をたてたのか、お読みください。(岩下祐子)