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2020年5月26日号
 

5月の新刊

地方に社会システム産業をつくる
副業とIoTパワーを活用して

■玉田 樹
■四六判上製 368頁 定価 本体2600円+税
■2020年5月20日刊行

働き方改革のもと輩出した副業者パワーで、医療、農業、観光業など多様な分野にビッグデータを活かした「社会システム産業」を起こす。地方活性化への提言。


●●●担当編集者より●●●
新型コロナ騒ぎでこれまで「当たり前」と思っていた暮らしぶりを見直さざるをえなくなりました。
著者の玉田樹(たつる)さんは野村総合研究所執行役員や理事などを歴任後、(株)ふるさと回帰総合政策研究所をたちあげ、一貫して地方とひとりひとりの暮らしを豊かにする方法を提案&推進されてきた方。その情熱の源泉は、“ソ連崩壊後のロシア企業改革の支援に5年間通ったさい、ほとんどのロシア国民がろくな仕事がないので副業のようなさまざまな仕事をしながら、自宅とは別に「ダーチャ」と呼ばれる畑つきの滞在可能な田舎の小屋を郊外にもって、国は貧しいながらいきいきと暮らしているさまをつぶさに見た”(あとがきより)ことにあるそうです。
長年にわたる活動の集大成として本書を脱稿されたのは、騒ぎが大きくなる前のことでしたが、東京一極集中のリスクが歴然とした今、IoTを活用してふるさとを元気にする新たなビジネスモデルの提案は、来たるべき暮らしのための具体的ヒントの数々をもたらしてくれます。(十川治江)


*石破茂氏が2020年5月15日更新のブログにて、週末に読みたい本の1冊に本書をあげてくださいました。石破氏公式ブログ
 

4月の増刷

タオ自然学

■フリッチョフ・カプラ
■A5変型 386頁 定価 本体2200円+税

タオイズムの陰と陽に、粒子と波動性の相補性を重ね合せ、踊るシヴァ神の姿に素粒子のコズミックダンスを見る。気鋭の理論物理学者による、 東洋と西洋の自然観を結ぶ壮大かつ魅力的な試み。ニューサイエンス・ブームを牽引した本書は、今回の増刷で改訂19刷(累計32刷)のロングセラー!


 

5月の増刷

江戸博物文庫、3作同時増刷

■工作舎=編
■各 B6変型 192頁 定価 本体1600円+税

江戸の博物図譜から美しい絵を1点1ページ、オールカラーで紹介するビジュアルブック『江戸博物文庫』。手頃な新書サイズのハードカバーでプレゼントに最適と大人気。シリーズ4作のうち『鳥の巻』『魚の巻』『菜樹の巻』の3点を同時増刷しました。『花草の巻』はすでに2018年に増刷済み。


江戸博物文庫 鳥の巻
江戸を代表する14篇の鳥類図譜から選りすぐりの約180種を紹介。身近な鳥はもちろん、海外からもたらされた珍しい鳥や空想の鳥まで色鮮やかに描かれた絵は、まさに「翼を持った宝石」。


江戸博物文庫 魚の巻
海水魚を中心に、江戸期の彩色魚類図版約180種を収録。遊泳する色と形の美しさ。和名の由来、味や調理法など食材としての魅力も説明する。


江戸博物文庫 菜樹の巻
江戸期植物図鑑の最高傑作『本草図譜』後半より、野菜・果物からキノコ、松竹梅まで約180種を紹介。食べられる植物の傑作図集。原産地や薬効も説明。


 
 

期間限定公開

ライプニッツ「ペスト対策の提言」

コロナウイルス感染拡大による不安の中、哲学者ライプニッツが300年以上前に記した「ペスト対策の提言」が、現在の感染症対策に通じると、話題をよんでいます。全文・解説を、2020年4月7日から11月20日(ライプニッツの命日)までWeb限定公開中

●ライプニッツの先見の明を示すこの論考は、『ライプニッツ著作集 第II期 第3巻 技術・医学・社会システム』第2部医学に収載。ペスト以外にも、保健官庁設立の提言、計算機の発明、図書館改革案など、幅広い探究プロセスが明かされます。

 
 
 

書評情報

『女王の肖像』5/16付 毎日新聞に

2020年5月16日付 毎日新聞・菊地信義さんが選ぶ「COVER DESIGN」に、四方田犬彦著『女王の肖像——切手蒐集の秘かな愉しみ』を掲載していただきました。
「布製の上製本。表紙に角版を空押しし、内へ端正な墨一色刷りの題簽(だいせん)を貼付。周囲の締め付けた布の質感は額縁…」。装幀は佐藤ちひろ(工作舎) 。

架空切手サービス、大好評実施中!

 

kousakusha TOPICS

『アルス・ロンガ』2020年4月25日付 朝日新聞読書面にて、美術家の横尾忠則氏に書評していただきました。「…古代ローマの哲学者セネカの『人生の短さについて』を読んだ人は、本書の言わんとすることがそのままセネカの書の題名であることに気づくはずだ…」。3月20日付 週刊読書人では秋丸知貴氏書評、アートコレクターズ2020年5月号、月刊美術2020年5月号でも紹介が続きました。書評の一覧は こちら

◆2020年5月11日発売の哲学雑誌「フィルカル」vol.5 no.1で、『地球外生物学』をご紹介いただきました。選書企画「フィルカル・リーディングズ」でSF作家・哲学者の草野原々さんの選書の1冊。詳細はこちら

◆集英社インターナショナルさんの「こんな時代だからこそ読みたい コロナブルーを乗り越える本」は各界の読み手がおすすめ本をセレクトしたweb特別企画。その中で『地球外生物学』の倉谷滋先生が『ヴァンパイアと屍体』をあげてくださいました。「…18世紀までの吸血鬼伝説が、当時における疫病の蔓延と、非科学的な「死」の認識に由来していたことを明らかにする」

◆2020年5月3日のNHK「日曜美術館」で「世界で一番美しい本 ベリー侯のいとも豪華なる時祷書」放送(再放送5/10)。シャンティイ城門外不出の秘宝を8K撮影した貴重な映像で、愛好家の間で話題に。この『いとも豪華なる時祷書』を解説した本として、前川久美子著『中世パリの装飾写本』が売れています。

【編集後記】
●緊急事態宣言解除が決まり、休業していた書店が続々と営業再開。時間短縮の店も多いですが、ようやく日常が戻るのかと思うと感慨深いです。
●この期間、ネット書店の在庫切れに頭を抱えていました。Amazonでは在庫切れの果てに中古品表示になってしまった(「カート落ち」と言います)本も多数。補充しても追いつかないらしく、なかなか解消されません。頼みのhontoや紀伊國屋書店ウェブストア、楽天ブックスも在庫切れに。
●そんな中、レオ・レオーニ『平行植物』が売上トップ。沖縄の「みんなのレオ・レオーニ展」は早期終了しましたが、生物三大奇書と言われ(他の2書は『鼻行類』『秘密の動物誌』もしくは『アフターマン』)、巣ごもり生活にはぴったりだったのかもしれません。ネット書店では今でも在庫切れをおこしがちですが、版元在庫は十分。しかも余裕をもって6月に重版(新装版4刷)予定。ぜひ書店にご注文くださいね。(岩下)