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2021年1月15日号
 

12月の新刊

メンター・チェーン
ノーベル賞科学者の師弟の絆

■ロバート・カニーゲル/熊倉鴻之助=訳
■四六判/上製 512頁 定価 本体2800円+税
■2020年12月28日発売

一握りの科学エリートたちが多くの発見をし、栄誉を獲得していくのはなぜか? その背景には、師弟の連鎖「メンター・チェーン」が存在していた! コロナ禍で話題のNIH(米国国立衛生研究所)/ジョンズ・ホプキンス大学に息づく「系譜」の秘密に迫った傑作サイエンス・ノンフィクション。


●●●担当編集者より●●●
さまざまな現場がオンライン中心に転換しつつある今、本書が問いかけるテーマは、きわめて重要度を増してきているように思う。つまり、「師弟の密な関係からしか得られない価値」というものが確実にあり、それが、メンター・チェーン(師弟の連鎖)によって、すぐれた「系譜」をかたちづくり、やがてはノーベル賞級の発見を促し、人類の知を切り拓いていくのだという。こんなことを言われれば、じゃあその「価値」ってなんなの? となるだろう。それが分かっているのなら、オンラインにも取り入れていけばいいじゃないの、と。それは単なる特定の知識とか技術などではない。何世代にもわたる伝言ゲームでも、決して歪んだり、ボケたりすることのない特別の何か。残念ながら、ここでその種明かしをするわけにはいかない。本書には、サイエンスの現場からの証言で、具体的な指針がいくつも挙げられている。当然、それらはビジネスや教育の現場にも応用が可能だ。科学読み物ではあるが、きわめて啓発的で、実用的な一冊なのである。「メンター・チェーン」は、今こそ活用されるべきキーワードと言っていいだろう。(石原剛一郎)


*関連フェア開催中。下の「ブックフェア」コーナーをご覧ください。
 

近刊情報

うたかたの国
日本は歌でできている

■松岡正剛
■四六判/並製 428頁 定価 本体1800円+税
■2021年1月下旬発売予定

物語も、日記も、信心も、日本は歌とともにあった。万葉集から歌謡曲まで、松岡詩歌論30余冊をリミックス。歌で辿る日本の文化。


 

ブックフェア



『メンター・チェーン』 刊行記念フェア

あなたは師から何を学び、何を弟子に伝えていくのか? ──人類の知を切り拓くメンター・チェーン(師弟の連鎖)

神保町・東京堂書店2F理工書で大きく展開いただいています。「メンター・チェーンのルーツ」「代表的メンター・チェーン」「メンター・チェーンから学ぶこと」など6つのテーマに沿って、 ダンテ『神曲 煉獄篇』『アーレント=ハイデガー往復書簡』『人生を変えるメンターと出会う法』など、理工書を超えた関連書が参集します。 ブックリストも無料配布。

ブックファースト新宿店B2Gゾーンでも開催中。

 



仙台・八文字屋書店 工作舎フェア

仙台・八文字屋書店泉店にて工作舎フェア開催中。新刊の『十二支妖異譚』をはじめ、選りすぐりの30点がすべて表紙を見せて並びます。1月末まで開催予定。

 

kousakusha TOPICS

◆2021年1月7日 『十二支妖異譚』著者の福井栄一さんがMBSラジオ「ありがとう浜村淳です」に出演。

◆2020年12月31日 NHK「ラジオ深夜便」に『しめかざり』の森須磨子さん出演。森さんの展覧会「渦巻く智恵 未来の民具 しめかざり」(三軒茶屋・生活工房)は大盛況のうちに12月27日閉幕。この展覧会への取材も活発で、朝日新聞ボンマルシェで板谷由夏さん、都築響一さんのメールマガジン「ROADSIDERS' weekly」、InterFMのピーター・バラカンさんなど紹介多数。

◆2020年12月26日 朝日新聞書評欄、横尾忠則さんが「今年の3点」に『アルス・ロンガ』をあげてくださいました。「多くの美術家は何らかの形で自らの存在を作品化することで後世に残そうとする。…」

◆「科学は公正中立か?教育の機会はジェンダー・フリーか?」という今日的テーマを扱う『ジェンダーは科学を変える!?』。品切れでしたが、カバーを増刷して出荷できるようになりました。

◆神保町・書泉グランデで開催中の占星家鏡リュウジさんフェア『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』『ルネサンス・バロックのブックガイド』も加えていただきました。フェアは2月末まで開催。

◆工作舎から新刊を準備中の真田幸治さん監修の「複製芸術家 小村雪岱 〜装幀と挿絵に見る二つの精華」が、1月22日から千代田区立日比谷図書文化館で開催されます。

【編集後記】
●前号でお知らせした「土星紀」バックナンバー企画が粛々と進行しています。書籍への投げ込みとして1979年「遊」時代にはじまり、1986ー2000年に連載した「標本箱」や「今月の紙」「今月の色」などこだわりある作りで愛好者を増やしました。選りすぐりのバックナンバーをnoteで連載することに。もうじきお知らせできます。
●「標本箱」をまとめた新刊『最後に残るのは本』の発売は3月に。お待ちください。(岩下)