■杉浦康平
■A5判変型 320頁(カラー48頁含) 定価 本体3200円+税
■2022年11月14日発売
「一」冊の本を開けば左右の「二」。パラパラとめくれば「多」。閉じれば即座に「一」に戻る。「一即二即多即一」となる本の形態の絶妙。ブックデザインをテーマに、戦後の日本グラフィックデザインを牽引した杉浦康平の言葉を集成。松岡正剛、鈴木一誌・戸田ツトム等の対話も収録。
●●●担当編集者より●●●
「本」という物体は、興味深い特質を秘めています。一冊の本を手にとれば、ごく自然にページが開く。「多」なるページが「一つの背」で綴じられているからです。
多であるのは、ページだけではありません。「本」は多なる「文字」、多なる「記号」、多なる「図像」の集合体でもあります。本を手にして、人はしばし幸福感に満たされます。
ときに「空間」や「時間」が多重に畳みこまれ、「本」という一なる宇宙を形づくる。これは、「本」というメディアが包みこむ極めて重要な特性、「複合体」としての特性です。
タイトルは「『本が湧きだす』がいい」という杉浦先生の一言は、「多」なるページがまだその位置を完全には定着していない頃のことでしたが、これを機に制作が加速しました。
複合体としての本の魅力を、今までになかった視点で捉えようとする試みに満ちた『本が湧きだす』。ぜひ手にとって数々のことばをヒントに、新たなブックデザインの道を拓かれんことを。
以上、このたびの「編集者より」の一文は、杉浦先生からのアドバイスをいただきながらのまとめとなりました。(田辺澄江)
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