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2023年10月26日号
 
 

10月の新刊

サレ・エ・ペペ 塩と胡椒

■四方田 犬彦
■四六判上製 380頁 定価 本体2800円+税
■2023年10月24日発売

なぜ知らない料理を食べたいと思うのか。「食べる」とは生理的な行為だけではなく、歴史がつくりあげてきた体験であり、料理のなかには「見えない政治」が働いていることを浮き彫りにする痛快無比の料理論集。

●●●担当編集者より●●●
『親鸞への接近』 執筆中の2015年のことだった。書き出すと早い四方田さんだが、この本には難渋し、何度も書き直す章もあった。そんな張り詰めた状況を和らげるべく、「先だってのご自宅パーティーでのお手製サラダが美味しかったです」とメールしたところ、即座にそれがお母さま直伝の「ロシア・サラダ」で、ただなぜ「ロシア」なのかはわからないとご返事があった。それをきっかけに料理をめぐるやりとりになり、勢いあまって「四方田犬彦のレシピ集ってどうですか」と返信したことから本書の企画が始まった。その後、親鸞論、 『女王の肖像』 、そして大作『パゾリーニ』(作品社刊)など計19冊を経て、本書は完成した。「四方田さんはなぜこんなに本を書けるのか」と、しばしば聞かれるが、その答えは明確で、常に5年先を見据えて企画を立て、日々執筆を続けているからだ。執筆の合間に余念がないのが、台所に立つこと。「台所こそがわが領土、わが王国」なのである。本書では、そんな生活の一端もうかがえる。例の「ロシア・サラダ」も気になるところだろう。大丈夫、ちゃんとレシピを公開していただいたので、ぜひ手に取っていただきたい。(石原剛一郎)

●●●刊行イベントのお知らせ●●●
11月4日(土)に、四方田犬彦 『サレ・エ・ペペ 塩と胡椒』 の出版記念に、特別講座と出版サイン会 『映画と食の政治学』 をシネマハウス大塚で開催します。通常のプログラムに加えて、パレスチナの情勢を鑑み「パレスチナの詩人ダルウィーシュを朗読する」も、講座に加わります。詳細は こちら。

 
 

近刊情報

地球生命圏 新装版

■J・ラヴロック
■星川 淳=訳
■四六判上製 304頁 定価 本体2500円+税
■2023年11月下旬発売予定

NASAの宇宙計画に参画した著者は、「生きている地球」を目撃した宇宙飛行士たちの感慨を、大気分析、海洋分析、システム工学などを駆使して実証科学に置き換え、「ガイア仮説」を打ち出した。環境問題の盲点を洗い出したシステム論的地球像の金字塔。待望の新装復刊。

 

お知らせ


10/28(土)・10/29(日) 神保町ブックフェスティバル

◆神保町ブックフェスティバルが今年も開催! すずらん通りで出版社らによるワゴンセール「本の得々市」が開かれ、工作舎も出店します。お得な特別価格の書籍、「紙型」「バッジ」「ポストカード」、さらに今年は「印刷用フィルム」も準備しています。工作舎ワゴンの場所は、「去年と同じ」インド料理のサンガム神保町店の前あたりです。今年は、飲食店やイベントもありますので、ぜひ足をお運びください。

◆開催日時:2022年10月28日(土)・29(日)10〜18時

 

ノーベル生理学・医学賞受賞者カタリン・カリコ博士が、高校時代に夢中になって読んだ本『生命とストレス』

◆10/3(火)の朝日新聞「天声人語」で、ストレス学の大家ハンス・セリエの名著 『生命とストレス』 が、カタリン・カリコ氏を励ました本として紹介されました。
「生理学者のハンス・セリエ氏は若いころ、自らの研究について先輩学者から厳しく言われたことがあったという▼さぞ屈辱だったに違いない。後にストレス学の大家となったセリエ氏は、自著『生命とストレス』で若手研究者らを強く励ましている。…」

 

kousakusha TOPICS

◆10/11の農業共済新聞で、宮下直 『ソバとシジミチョウ』 が紹介されました。 「人と自然、生物の多様なつながりを生態学者の視点で解き明かし、生物多様性に寄与する人と自然の絆の復権を提唱している。」

◆東京堂書店神田神保町店とくまざわ書店武蔵小金井北口店で、 『ソバとシジミチョウ』 刊行記念フェア開催中! パネルも展示しています。それぞれの書店で、パネルを一部差し替えてますので、見比べてみてください。フェアの様子は こちら。

【編集後記】
●社員になってから初めての神保町ブックフェスティバルです。去年はアルバイトとして、お手伝いしましたが、来場者のあまりの多さにビックリしました。小学5年生の子供古本市から、15年間ほど大小様々なブックフェスに出店側として参加していましたが、ここまで大きい規模は神保町ブックフェスティバルが初めてです。今年は、工作舎の一員として、一から準備しているのもあって、本が手にとってもらえるか去年よりも緊張しています。…今年の神保町ブックフェスには屋台の出店もあるので、楽しみです。カレーが食べたい。(田波)