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2023年11月24日号
 
 

12月の新刊

地球生命圏 新装版
ガイアの科学

■J・ラヴロック
■星川 淳=訳
■四六判上製 304頁 定価 本体2500円+税
■2023年11月21日発売

NASAの宇宙計画に参画した著者は、「生きている地球」を目撃した宇宙飛行士たちの感慨を、大気分析、海洋分析、システム工学などを駆使して実証科学に置き換え、「ガイア仮説」を打ち出した。環境問題の盲点を洗い出したシステム論的地球像の金字塔。待望の新装復刊。

●●●担当編集者より●●●
カプラの処女作 『タオ自然学』 (1979)と同じく今なお鮮烈なインパクトを放つラヴロックの処女作 『地球生命圏』 (1984)がこのたび新たな装いでよみがえりました。
初版刊行時には、原題“GAIA”は魅力的なコンセプトながら一般には知られておらず、そのまま日本語版のタイトルにしても何の本か見当がつきかねるだろうということで、副題を「ガイアの科学」としたことを思い出すと、隔世の感にたえません。
この8月に邦訳が出たB・ラトゥール『ガイアに向き合う』などをはじめ、今や「ガイア」はラヴロック以外の著者の本のタイトルやシリーズ名としてはもちろん、映画やテレビ、アニメやゲーム、企業名などに幅広く使われるようになりました。
ラヴロックは、100歳にして新著『ノヴァセン』を上梓するなど、103歳の誕生日に他界するまで、独立独歩の科学者としての道を貫きました。初版時は32歳だった訳者の星川淳さんも今や71歳。新装版への「あとがき」では来し方を振り返りつつ、原子力をめぐる見解の著者との決定的違いとともに、共感する一面をも明かしています。次世代から次々世代へと末長く読み継がれることを願っています。(十川治江)

 
 

近刊情報

西欧デモクラシーの哲学的伝統
アリストテレスにはじまる

■山下正男
■四六判上製 214頁 定価 本体2400円+税
■2023年12月下旬発売予定

アリストテレスの哲学は、存在論から労働論、そしてコミュニティ論へとつながる。天才の西欧哲学を通して、日本のデモクラシーを展望する。家族から村、そして国家のあるべき姿を考え、独裁に対抗する術を考える哲学エッセイ。

 

お知らせ


11/27(月)ロンダ・シービンガー教授来日講演「ジェンダード・イノベーション:科学と技術のさらなる高みへ」

『科学史から消された女性たち』 『女性を弄ぶ博物学』 『ジェンダーは科学を変える!?』 『植物と帝国』 の著者が、お茶の水女子大学講堂「徽音堂」、Zoomウェビナーで、講演を行います。同時通訳もあります。詳細は こちら。

 

12/3(日)、柏市で『ソバとシジミチョウ』の宮下 直先生の講演会「今、なぜ生物多様性か?人と自然の関係から考えよう」開催。

◆「柏の自然と生きものフェスタ2023」の催しの一つとして、アミュゼ柏 1Fプラザで行われます。参加費は無料ですが、事前申し込みが必要となります。詳細は こちら。

 

kousakusha TOPICS

◆11/18 信濃毎日新聞にて、宮下 直 『ソバとシジミチョウ』 の書評が掲載されました。 「人と自然と生物の関係が形成されてきた経緯をたどるわかりやすい歴史書である」

◆「クロスワードキング」1月号「おかひろこ 王様の本棚」にて、 『十二支妖異譚』 をご紹介いただきました。来年の干支である辰年に合わせて「十二支の中で唯一、架空の生きものだが、ここでは僧を救ったり、インドの王子にしてやられたりと実在するかのように人間と交流する」と、龍のエピソードがいくつか挙げられています。

◆現代俳句11月号にて、俳人村越化石の伝記、荒波 力 『生きねばや』 の書評が掲載されました。「俳句も含めて文学とはヒューマニズムの原点なのだと改めて思った」と紹介されています。

【編集後記】
●今年の神保町ブックフェスも、大盛況でした! 2日目は、雨が降ったのにも関わらず、たくさんの方にお越しいただき大変有難かったです。今年はノボリを導入し、工作舎の目印ができました。ワゴンの位置が、例年よりわかりやすくなったのではないでしょうか。来年も掲げる予定なので、見かけた際はぜひ工作舎のワゴンを見ていってください。よろしくお願いいたします。余談ではありますが、出店のカレーを食べ損ねました。(田波)