■笹川光平
■四六判上製 224頁 定価 本体1800円+税
■2024年12月27日発売
ハンセン病制圧の啓蒙活動のため、日本財団会長笹川陽平(85)がキリマンジャロ登頂に挑戦。ペースメーカーを装着した最重度の障害を抱えながら、山頂まで6日間、標高差4000メートルを自らの脚で踏破した。世界最高齢の登頂者となった記録。
●●●担当編集者より●●●
中学生の頃だったか、当時70歳前後だった父親に富士登山を誘われたことがある。あまり乗り気になれず逡巡していると、幸か不幸か父親が心臓を患ってとりやめになった。そんな我が身に引き比べると、笹川陽平の挑戦は暴挙としか思えない。止める人はいなかったのか、とも思う。何しろ陽平氏は85歳、心臓にはペースメーカーが入っている。もちろん周囲の協力があってのことではあるものの、あっけなく暴挙を快挙にしてしまった。キリマンジャロは写真で見るかぎり、登りやすそうな山だが、6000メートル級、富士山の倍近い。もともと陽平氏は日常的に世界中、それもアフリカやアジアや南米の「奥地」を飛び回っており、日本にいるときも、毎朝、日本財団ビル7階の執務デスクまで、エレベータなどは使わず、階段を一気に駆け上っている。それにしたって、キリマンジャロ登頂は難業には違いない。本書の著者であり、息子でもある光平氏が、生まれて初めて父の涙を見たというエピソードに、当人の感慨の深さが現れている。誰かドラマにでもしてくれないだろうか。まあ、主役を演じきれる役者はいないだろうけれど。(米澤敬)



