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2025年7月2日号
 

6月の新刊①

本朝妖怪年代紀

■工作舎=編
■A5変型上製 492頁 定価 本体3200円+税
■2025年6月24日発売

坂田金時はいつ酒呑童子を倒した? 河童の伝承はいつから言い伝えられた? いつどこで両面宿儺は倒された? どこから読んでも不思議世界へまっしぐら、2500余項目の妖怪事象を神代から幕末までまとめた怪異譚年表。400図版を収録。小松和彦解題。

**読者サービスとして、「特製ブックリスト」を書店にて無料配布中。数に限りがありますのでお早めに。書店リストはこちら。

●●●担当編集者より●●●
小松和彦さんと荒俣宏さんの対談集『妖怪草紙』をつくってから、もう40年以上になる。当時は妖怪についての本は、ごく少なかった。そんな中、この対談で参考にしたのが、藤澤衞彦の「妖怪年表」である。ついうっかりと、これをもっと充実させてみたいと思ってしまった。折を見て少しずつ資料を集めてはいたものの、いつになっても目処が立たない。そんな状況を打開できたのは、インターネットのおかげである。六国史などの記述もネット上で簡単に検索できるようになった。こうなってくると、今度はどこで作業を止めるかが難題になる。なんとか思い切るようにして、ひとまず上梓することにした。だからこの『本朝妖怪年代紀』は、もちろん完全版ではない。
徳川光圀の『大日本史』あたりを読んでも、ほとんど毎年のようになんらかの怪異(けい)の記述がある。その大半は、どんな怪異だったかについての記載はなく、怪異があったのでお祓いや占いをしたというようなものなのだが、調べて調べられないことはないような気もする。ならば本書をもっと完成に近づけるための努力をすればいいのだろうが、おそらく10年や20年では終わらないだろう。きっと完成する頃には、こちらが妖怪になっているに違いない。(米澤敬)

 

6月の新刊②

THE WEDDING DRESS

■エマ理永
■B4判変型上製 96頁 定価 本体3300円+税
■2025年6月20日発売

自分だけの大切な一冊へ。布そのものが持つ美しい力を引き出し、女性たちを幸せにしたいという熱い思いが息づいた究極のドレス造形美の数々を大判・オールカラーで紹介。巻末には読者様のウエディング写真貼付ページ付。

●●●担当編集者より●●●
エマ理永さんとのお付き合いは、弊社で刊行した『感覚する服』(2016)以来である。これまで何度も彼女のWedding Dressのショーを拝見する機会があったが、いつも得も言われぬ気品と多幸感を放つオーラに圧倒されてきた。モデルとともに本物の花嫁が着用して登場したこともあり、あまりの神々しさに、思わず手を合わせて拝みたくなってしまったほど。本書で彼女は自らのドレスを「命が宿る彫刻」と呼んでいる。それは見る側がそのドレスに生命力を感じるだけではなく、着用した女性のほうもドレスから命をもらうのだという。もうこうなると、SFファンとしてはバリントン・J・ベイリーの『カエアンの聖衣』(早川文庫)を想起せざるを得なくなってくる。「服は人なり」という独特の衣装哲学を背景としたこの傑作をエマ理永さんは読んでいないと思うが、テーマはまったく同じだ。ということで、まずはSFファンにも本書と、前作の『感覚する服』をぜひ手に取っていただきたい。(石原剛一郎)

 
 

近刊情報

俯瞰する知 原島塾講義録シリーズ
巻4 生老病死と向き合う

■原島 博
■A5判変型 272頁 定価 本体2800円+税
■2025年8月下旬発売予定

ヒトではなく「人」の一生とは何か。生きがいを見つけ、恋をして楽しさの見つけ方から老いや病い、死などの辛いことへの向き合い方まで、八十路の著者が生き方のヒントを語る。市毛良枝(俳優)推薦。

 
 

お知らせ


7/5〜渋谷ヒカリエホール「レオ・レオーニの絵本づくり展」

◆『スイミー』『平行植物』のレオ・レオーニの世界観を体感できる展示が開催。絵本の原画も展示されます。ぜひ足をお運びください。

 

kousakusha TOPICS

◆ブックファースト新宿店、「第14回 蔵出し本フェア」開催中。 26社の出版社の僅少本が集まっています。工作舎も『記憶術と書物』など30点を出荷。開催は7/4(金)まで。

◆杉本彩子『ホーム・スウィート・ホーム』が2刷出来! 緻密な俯瞰図に加え、文章も読み応えがあり、大好評です。 また日経アーキテクチュア、アエラでも紹介されました。

『ライプニッツ著作集』第I期 新装版 9巻「後期哲学」が順調に売れ、増刷しました。かの「モナドロジー」も収録された後期哲学のエッセンス。

◆7/1に宮下直『となりの生物多様性』が2刷出来。生物多様性の視点から私たちの生活や社会を見つめ直しつつ、将来を考える科学エッセイです。

◆WEBサイトeTOKIにて塙将良+藤井しん『モンストロール』を三木学さんが書評くださいました。 「その憑りつかれたような、モンスターの圧倒的な描写に、凝視するのをためらってしまう。そこに何かいる、と思わせるからだろう。」と評されています。

◆東大名誉教授の原島博先生が、2025年春の叙勲にて瑞宝中綬章を受章されました。心よりお祝い申し上げます。

【編集後記】
●6月と思えないほどの気温上昇。自宅でもエアコンをつけ始めました。涼しいのはいいのですが、身体は冷えるようで、湯船に浸かる時の熱さが1.5倍増しになっています。冷→熱でのヒートショックの心配を少しだけしています。(田波)