■原島 博
■A5判変型 264頁 定価 本体2800円+税
■2025年8月27日発売
ヒトではなく「人」の一生とは何か。生きがいを見つけ、恋をして楽しさの見つけ方から老いや病い、死などの辛いことへの向き合い方まで、八十路の著者が生き方のヒントを語る。市毛良枝(俳優)推薦。
●●●担当編集者より●●●
巻4は、I部「人の一生を改めて俯瞰する」とII部「生老病死の人生デザイン」からなる。II部の冒頭、「人生はな、冥土までの暇つぶしや」という、天台宗の僧侶・今東光(1898-1977)の放言が引かれている。だから「上等の暇つぶしをせにゃ」のフォローはあるものの、けっこう衝撃的ではないか。そこで原島先生はこの「暇」にこだわられて、辿ってみた(relay essay|連閏記30 — 閏|Uruu magazine)。
そんな折、私にはある人の顔が浮かんだ。その人には、四苦も八苦もある。若くして見つかってしまった病い、つらい治療と思いのほか長引く副作用、寛解と思いきや関連が疑われる新たな疾病の浮上。そうこうするうちご両親は高齢となっている。世間は「ひとりで抱え込まないで」と言うから、「公的機関に相談してみたけれど、門前払い」と苦笑する。
ところがこの人に会って、当方の気分が落ち込んだことはない。それは、四苦八苦以上に輝きを放つ「生きがい」が見えてくるからだ。苦の量の12分の1であっても、生きられる時間を掛けたいと思える方を向いているかぎり、彼女の行く道が陰ることはない。
だから祈ろう、たとえ寸暇であろうと極上の暇つぶしができますようにと。(田辺澄江)




